JB-JL オーバーホール

初めて乗ったJBエンジン車はL502Sで、その吹け上がり方や加速の仕方、音に感動したのを思い出します。そんなJB-JLのオーバーホールのご依頼です。

ただ、もう30年が経過しているので色々あります。

うむむむ、汚れのこびりつき方から「スムーズにいかんぞコレは」という雰囲気。ミッションの構造なんかも独特で、L700系以降に比べるとエンジンミッションの脱着はとても面倒に感じます(^^;

当然ヒーターホースも硬化してガッチガチなので、ヒーターコア損傷予防で切断取外し。ちなみにヒーターホース廃盤です。

メンバー固定ボルト

エンジンマウント固定ボルト、見事に折損w

袋状のメンバー内部に溶接留めしてあるナットも当然の如く剥がれて切開。

ネジ山もほぼ全て修正。

全てのボルトナットがそのまま再使用する気になれない状態なので、

最低でも掃除、または交換。

サーモも熟成w

各ホース接続口もそのままではダメな状態。全ての工程に、そうでない場合の何倍もの時間を要するので、依頼者様にも時間と費用の覚悟が必要です。

この辺りもヤレてる感。ちなみにインマニガスケットも廃盤でJB-DETとも互換性ありません。

ブロック上面も荒れてますw

膝擦りむいてましたw

洗浄後に色々計測してから内燃機屋さんに加工出し。

その間に必要部品発注。便利なガスケットキット(エンジン周りのガスケット一式セット)は廃盤なので個別に発注。この辺もJB-DETに比べて地味に時間とお金のかかるポイントw

加工から帰ってきたので洗浄して組み立て開始。

クリアランスも出来るだけ希望値に近づけ、腰下組立。

オイルジェットも全交換。2個ヘタってました。

ピストン、タイミングチェーン、チェーンガイドの片方も廃盤になってたので流用。
圧縮比は少し変わります。

ヘッドも。面出しされた金属を見るのは気持ちいいです。

バルブ擦り合わせ。

バルブクリアランス調整。インナー式はこれが面倒。。。

ナメやすいカムキャップボルトも問答無用で全交換。長年動いてないエンジンだとネジ山が錆で固着してたりして、あっさりナメてしまいますw

割愛しますがミッション内の部品も廃盤だらけです。もし壊れると新品純正部品での修理は絶望的です(^^;

クラッチ関係も一式交換。JB用純正はかなり優秀で好きです。

オルタもついでに交換。後でトラブった時に作業が面倒な部分はついでがオススメ。
安心感が増え、後悔が少なくなります。

バキュームホース、フューエルホースなども廃盤なので流用。

完成図を撮り忘れていましたが、無事完成♪ ついでに車検受やキーレスと集中ロックの取付などのご依頼も終えて無事納車♪

よく、オーバーホールの費用のお問合せをいただく事がありますが、特に年数が経っている場合は前述のようにボルトナットが損傷していたり廃盤部品で出ているケースが多く、そうで無い場合に比べて何倍もの時間と手間を要します。ですので、進めながら必要なものを手配したり加工など行なっていく感じで費用は都度変わり、事前見積もりが出来ません。(^^;

もしまた同様の依頼があった場合、正直言いますとあまりお受けしたくないですが、時間と金額の覚悟を決めていただけるなら要相談というところでしょうか(^^;

ご依頼、ありがとうございます。


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